「空白」の28年
今年一番の衝撃は「江川クンと小林クンのTVCM出演」だ。実年齢、当方より若干下の、この二人の再会にインパクトがある理由は、省略。だいぶ昔のことで、若い人には「?」だろし、一言でも語るのに40歳を過ぎていないと難しかろう。実際には、ぼくらくらいから上の世代にとっての話になる。わかる人にはわかる。
10月半ばだったか、テレビで初めて接したときの驚きは、相当なもので、当初数回は、食い入るように見た。バージョンも更新されているようで、少しずつ、話の中身が異なる。次が見たい。他の会話が聞きたい。ぼくはエキサイトした。そう、あくまでも「当初」は。
ぼくは、しかし、評価しない。
継続されているところから察するに、大方は好意的なのかもしれないけれど、ぼくには辛い。二人への印象が悪化するだけ。スポンサー企業にも反発してしまう。なぜって、あんな断片的な、言葉の羅列だけで、「あの」事件を、さも懐かしがるように語ってもらいたくないのだ。
この28年間、二言三言では当然、語りきれない。実際、二人の会話は3時間ほどに及んだらしい。そのなかの、かなり恣意的に選んだ、ただのピース、ぶつ切りを見せつけられて納得できるものではない。いや、ぼくは、詫びろ、とか、ファンへの説明責任などを持ち出したいのではない。いくらなんでも時効である。いまさら、なにも求めない。
だが、口火を切ったのは、あんたたちだ。コマーシャルだろうが何だろうが、当事者が口を開いたのである。だったら、もっとちゃんと話してよ。それを、あんなふうに、もったいぶって、ひとの興味をそそっておきながら、細切れ。そのうえ企業広告っていうんだから、まったく、信じられん。卑怯モノっ!!
あれだけ世間を騒がせたんだよ、あなたたち。いや、もちろん、二人だけの問題ではない。いろいろな輩が関わっている。それらの人々の多くは、もはや鬼籍に入った。だからこその、いま語る、回顧談なんだろうけれど。だったら、しっかり知らせようよ。そのくらいの責任、あるんじゃないの?
繰り返すが、黙ったままでもよかったのだ。とくに、小林クンは引退して、あれ? 野球評論家なの? だったら、いまなおギョーカイ人か、ふむ、ま、にしても、いちお、江川クンのようにはメディア露出していないんだから、市井の人として、責務はもうない。だけど、こうして出てきた以上は、「酒を酌み交わしつつ、ずっと胸のうちに秘めていた思いを語りあっ」た内容を、ちゃんと披露してくれ。それがオトナというもんだろ。
つい毒づいてしまった。好きだったからね、小林クンのこと。江川クンも意外に憎めないキャラだし。実のところ、当時は日本にいなかったし、やや傍観者。イマイチ「大騒ぎ」の実感に乏しいのだ。正直な話、当該球団のグループの末端に関わる仕事もしていたし。そんなには批判的でなかった。「うまいことやるもんだ」とすら思った。でも、野球史上に残る「スポット」であることは疑いもない。「汚点」とまでは断言しないが。
2007年を象徴する「偽」の文字のとおり、今年は冒頭から頭を下げ続けた企業(および組織)トップ・幹部。かれらには、特段の期待はない。そういうものだと諦めている。だけど、小林も江川も、いまは「個人事業者」のはず。後者は某球団との距離感から、そうとは断定しにくいけど。個人は、どこまでも「自己責任」だからなあ~。


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