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2011年9月 8日 (木)

たかが紙切れ

娘の転出届を出した。それだけのこと。なのに……。

あらためて思うほど大袈裟な問題ではないのは承知。でもね、考えたら、生まれてこの方27年余、娘とは同じ世帯だったわけで。近年はずっと同居していなかったとはいうものの、おおむね子どもが社会に巣立つまでは一緒に住むわけで。

ぼくは、大学生のとき1年ほど、就職したあとも1年弱、育った家を離れた。いずれも「独立」の認識はなかった。そして、24歳でアメリカに渡ったときも。これは結果的に6年にわたるのだが、当初は一時的な別居だと。結局は、滞米中に28歳で結婚したので、まあ、それが巣立ちだったか。

帰国して、30歳直前、新しい戸籍をつくった。おぉ、娘のほうが早いじゃん。ふむ。いずれ、子は去っていく。「去る」は情緒的な表現か。前述のとおり「巣立つ」で、いいのかな。

肩の荷が下りた? うぅむ。20歳(はたち)を過ぎれば独立した人格、との考えから、とっくに、と言いたいが、留学なんぞしていたので、そこんとこは、ちょっと逆に重かった。が、数年前からは当然ながら「保護の対象とはしない存在」に。

だって、もうオトナだものね。いつまでも「パラサイト」されては困るし。母親がいなくなったので、多少は甘く扱った面も否定しない。「けっこう親バカ」てな声が聞こえてきそうだが、いやいや、「気にかけない相手」としてきたつもり。

役所の手続きは本人がすべきことだけど、すでに遠くで新居を構える娘の便を考え、当方が区役所へ足を運んだ。娘だけの転出。書類に理由を書く欄はないが、一般的には「結婚」だろう。係員は何も尋ねない。全所要時間10分弱。紙切れ一枚のこと。あっさりしたものである。

いずれにしても、親子の縁が切れたわけではない。でも、こちとら、60年間ずっと同じ姓である。娘は、もちろんファーストネームに変わりはないが、ファミリーネームに関してはね……。

さて。冒頭の一行の「……」に続くのは、ふと言い様のない思いが一瞬、胸をよぎった、というあたりのことかな。

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