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2010年6月14日 (月)

我が闘争

サッカーは嫌いだ。
なんて言うと、1億サッカーファンを敵に回すか。1億人は大袈裟かな~、でも、きょうのテレビ欄には「熱闘W杯」が乱舞しているし、新聞は明日の配達を特別態勢でと告知するし。

思い出すのは8年前、やはり夏だったか、開け放れた窓から「おおっ!!」の大歓声、普段は居るのかどうかまったく不明の静かなる隣人の、そう、たぶん日本の活躍に対するエールだろう、当方も興味本位でチャンネルを合わせていたから、画面を注視すると、たしかゴールの一瞬だったかな、なるほど、世間はこういうものか、と合点。

いわゆる、国民的合意ってやつだわな、この、なんとも癪に障る、ワールドカップ一色。あぁ、なにも、本当は好きなのに皆が騒ぐから、という、小生の信条たる天邪鬼ゆえ、ではない。

もっとも、嫌いな理由、まことにチンケな話ではある。間違いなく、我が読者諸氏からの賛意はあるまい。

あれは、高校1年生だったか、1968年のことと記憶するが、ぼくをサッカー嫌いにする「事件」があった。我が高校では、サッカーはまだ「同好会」だった。これが「部」に昇格することになった。第一次ブーム、というよりは初めての、かもしれないが、世の中の動きを背景にしてのことである。

余談ながら、『赤き血のイレブン』の人気が貢献したのだと思っていたが、念のため調べたら、これは70年代に入ってからで、そうすると、『ハリスの旋風』が影響したのかな。この漫画は好きだった。

とにかくも、この事案は「生徒議会」の承認事項だった。母校は「擬似・三権分立」のシステムが導入されていて、クラブや同好会を(予算を含めて)所轄するのは「行政委員会」という、その名の通りの行政機関。で、その活動をチェックする機関として「生徒議会」があった。ちなみに、もちろん「司法府」は生徒の手にはなく、教師ら学校側の権限となっていた。

でもって、ある日、「部昇格」案が行政側から提出された。細かい経緯はさすがに忘却のかなたながら、要するに、世間での人気をバックに「当然だろ」という姿勢に、一部議員がカチンときたわけである。その急先鋒が、はい、このオヤヂ。

昇格にあたっては、それなりに規定があって、提案理由では、そのあたりをクリアにできなかった。同好会の会員数もまだ多くなかったと思う。その数が増加する見通しも説得力に欠けていた。ブームとはいえ、そこそこの人気でしかなかったからね。

議案を上程した議会幹部側もやや強圧的だった。というか、議長(高2)は可決を前提にしていた。行政・立法に加え、司法たる学校側のコンセンサスが、すでにできていたのである。だから、まあ、かの事業仕分けではないけど、「どうして部に昇格する必要があるのか」といった議員の質問に、きちんと説得できなかったのだ。

たしか、同様に「部昇格」を希望していた「硬式テニス同好会」が、圧倒的な「軟式テニス部」の勢力の前に、その事案をつぶされたこと(上程すらできなかったと記憶)も影響していた。ちなみに、はい、このオヤヂ、硬式テニスに所属していました、当時。

私怨だよね。だけど、提案者である行政委員長(高2)がうまく説明できず、「陰のトップ」と評判が高かった副委員長(高2)が途中からしゃしゃり出てきたことも火に油を注ぐ。

実は、議会の大勢も「人気になっているし、部でもいいじゃん」ではあったのだが、筋を通したいとする議員は、多少なりとも、いた。少数派は、懸命に論戦を挑み、空気を少しずつ変えていった。とはいえ、放課後の時間を利用しての審議で、徹夜国会なんぞは無理だから、下校時刻が迫る。

採決に入ると、賛成多数は明白。そこで、過激派は、動議を乱発する。議長不信任をはじめ、規約を隅から隅まで読み、優先事項になっているものを見つけ、次から次に緊急上程し、阻止を狙う。果ては、(いまなお続く)我が友・副議長への不信任案も出した。が、多勢に無勢。一つひとつ否決されていき、ジ・エンド。

そんな顛末があって、もともとサッカー嫌いというわけではなかった当方、これがトラウマに。ねっ、とうてい納得できないでしょ、このオヤヂのワガママぶり。

後日談。
この副委員長、当方の「活躍」に、何かを感じたらしく、半年あまりののち、自ら就いていた新聞部部長の後任に、オルグってきた(注・誘ったという意味です)。当時から「長」という肩書きに弱かった小生、受託。これが、ぼくと新聞との出合いで、40年余の今日、この世界でメシを食っている。ちなみに、これは書いたことだが、この先輩と、卒業後に渋谷で遭遇、ぼくはSFの世界にも誘われた。

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コメント

ちゃんと読みました・・読んだのに
最後の一行
>渋谷で遭遇、ぼくはSFの世界にも誘われた。

に反応して前の記事が吹っ飛びました。

「このブログ内で検索」で「SF」をキーワードに。
「小松左京」「星新一」「リプレイ」「ハヤカワ」
懐かしすぎる・・
SFマガジンって知ってた?
個人的には広瀬正なんだけど。
ゴメンナサイ・・こんなコメ、止めとこうと思ったんですが・・無視してください(^^ゞ
ジム、行ってきます。

あ、そうだ
hiperkさんって、チョイワルオヤヂだけでなくて
ワガママオヤヂでもあったんですね。知らなんだ(笑)

投稿: カミ@ダンカミ | 2010年6月14日 (月) 18時52分

そこに反応するとは、カミさんもけっこうアマノジッャキーかな。
えっとぉ、広瀬正については、たしかカミさんのブログで触れた記憶が、、、検索システムがないので確認できないけど。。。知る限りの全6作のなかでは『マイナス・ゼロ』をこよなく愛しています。
「SFマガジンって知ってた?」というのは、質問ですか? だってぇ、こんなにSFマニアなんですよ、おいら。
あ~、カミさんは最近の読者だからかな~、小生、このブログでは当初から、かなりの頻度でSFまたはSF的なるものには言及しています。

投稿: hiperk | 2010年6月14日 (月) 22時11分

そうです!
・・って「アマノジャッキー」に反応したのではなくて

>広瀬正については、たしかカミさんのブログで触れた記憶が、、、

マイナスゼロの話もしましたよね^m^

>「SFマガジンって知ってた?」
これは失礼千万の一行ですね。ここだけ削除!
(^^ゞ

今朝、一時半頃
とっくに寝てる私に「勝った」と一言。
ベッドに潜り込んだと思ったら爆睡してました。お疲れ様でした。

投稿: カミ@ダンカミ | 2010年6月15日 (火) 10時32分

出る幕ではないけれども、発言したくなった。
今朝から、日本の一勝でテレビ、新聞は持ちきり。
それで一番得しているのは誰か。
菅直人ではないか。
しばらくはこの騒ぎで国会や政府への批判などは飛ぶし、岡田ジャパンが帰ってくれば、たとえ一勝にしても官邸で大歓迎できる。チームの全員を招待し、首相が握手すれば絵になる。票になる。11日以前には帰ってこないのかな。

いずれにしろ、明日の国会で衆参両院を解散し、同時選挙にすれば民主の大勝利だろう。「民主独占」は危険だから、参議院だけでそこそこの選挙になればいいというのが本日の愚生の感想。
それにしてもテレビ、視聴率さえ上がればというので困ったもの。
琴光喜の野球賭博問題は、かすんだ。
サッカー、愚生はよくわからんのですがね。

投稿: seigu | 2010年6月15日 (火) 18時33分

『マイナス・ゼロ』、いまなら映画化できますよね。。。誰か、やんないかなあ~。ウワサのあった藤田敏八はちょっと無理だとしても。

ベッドに潜り込んだと思ったら、、、その続きにイケナイことを予想したのはボクだけでしょうか。。。ヽ(;´Д`ヽ)(ノ;´Д`)ノ

投稿: hiperk | 2010年6月15日 (火) 22時19分

seigu翁のご指摘の通りでしょう。新政権もW杯もAKBも、国民の視座は、報道する側も含めて、揺るぎません、すべて興味本位。それが、民主主義の大原則というものでしょう。
・・・なんて、アナーキーすぎますかしら。

投稿: hiperk | 2010年6月15日 (火) 22時20分

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