« 忘れてしまいたいことは多いけれど | トップページ | 何とか間に合った »

2010年3月 6日 (土)

啓蟄

いつものごとく月例の多忙期、「空自官製談合」も気になるが、それよりも。

今朝(3/6付)の朝日新聞に、奈良と埼玉とで続けざまに起きた、いわゆる「虐待死」に関して、幼い命をどう守るかという視点での記事が載っているのを読み、手ぬるいと感じた。

異変に気づいたら匿名でもいいから役所または警察に一報を、という。この指摘、間違ってはいない。だが、いまのままでは、通報する人が増えることはあるまい。事が「しつけ」との絡みで微妙な領域にあるからだ。

ぼくは思う。こうした事件は「殺人」容疑で調べるべきだと。

逮捕された親は「保護責任者遺棄」もしくは同「致死」である。納得できない。直接的にはそれでもかまわないが、(本当は「殺人容疑」だと皆が思っているのに断言しきれないときのメディアの常套句である)「殺人罪の適用も視野に入れ慎重に調べを進める」べきではないか。

過去にも同様のケースはたくさんあったと記憶するが、とくに奈良の事例は、3年間に及ぶ「虐待」の中身が尋常ではない。激しく痩せるまで食事を与えず歩けないほど衰弱させた行為は、「虐待」とか「暴行」の範囲を超えている。

これは、緩慢な、長期的な、殺人行為ではないか。少なくとも、そう疑って然るべきだと信じる。言い換えれば、じわじわと殺していったのである。殺人罪の中でも悪質だと思う。

そのうえ、相手は幼子。当初は言葉を発するのも覚束ない年齢で、抵抗などできるはずもなく、自力で逃げることも不可能だったろう。ぼくは、これを「虐殺」と呼びたい。

「虐待」と「しつけ」との狭間ゆえ、人々は悩む。子どもの泣き声が聞こえてくるが、これはちょっと厳しいしつけなのではないか、そうであれば安易に介入できないなあ~と。

だから、認識を改めよう。「虐待」ではなく「虐殺」と「しつけ」との狭間で考えてみる。そうしたら、いまよりは少し多くの人が通報するようになるかもしれない。いかに人情薄い昨今とはいえ、座して子殺しを赦すことはそうそうあるまい。

きょうは「啓蟄」。春の訪れも近いが、首都圏ではまたもや冷え込み、いましばらく冬が続くようだけど、この、子どもをめぐる問題は、いまから冬に向かっていく感が強い。

|

« 忘れてしまいたいことは多いけれど | トップページ | 何とか間に合った »

コメント

親が子を、子が親を、相方同士がせめぎ合う社会に日本が落ち込んでいるよう。
児童虐待は老人虐待の裏版。
社会がその状況を見逃し、触らぬ神にとしていることが何としても困ったこと。
『介護保険は老いを守るか』を書評のために読んだところ。ジワリと老人を虐待してきたのがこの六年余りだと思います。「適正化」という錦の御旗で。
どう社会の倫理を樹立するか。多様に考え、動く必要があると考えています。

投稿: seigu | 2010年3月 7日 (日) 08時41分

追伸
『介護保険は老いを守るか』は沖藤典子著、岩波新書。
他を思う、が自の基本、ということを言いたかった。

けいちつは書けない字なり春佳き日
虫よ虫明日は冷えるぞ肩隠せ

と詠ったのが3月5日。
翌日。
啓蟄と書けるようになり公園へ

敬白。いや軽薄?

投稿: seigu | 2010年3月 7日 (日) 09時57分

啓蟄は 好きな言葉も 書けやせず
    ただ啓のみに 馴染みあればや

おもしろそうな本ですね、読んでみようかな、でも、『男おひとりさま道』の感想も未だ。なんか、しんみりしてきて、気軽に書けず。

投稿: hiperk | 2010年3月 7日 (日) 15時32分

私はね、この類の記事に関して、テレビ報道を見るのは極力避けるようになりました
(動物虐待・虐殺の報道も)
なぜかというと、自分の中に思わぬ「殺意」が目覚めちゃうから。
怖い表現だけれど、本当にそうなんだもの。

「親として」「飼い主として」云々なんて甘いもんじゃなくて
「てめぇら人間じゃねぇ!」「生きてる資格なし!!」ってね。

何かがおかしい・・
人が人として生きにくいような環境を
人自身が一生懸命作ってる気がする。

あ~・・重いいコメでm(__)m
Hiperkさんの所にくると、いつもいつも大好きな新聞や雑誌のお気に入りコラムを読んでる感じで
頷きながら投稿したくなる・・極力ロムに徹しようとはしているんだけど~すんません。

投稿: カミ@ダンカミ | 2010年3月 9日 (火) 08時06分

カミ@ダンカミさん、お褒めの言葉、深謝。

ぼくも同じように思います。
その1・「ビタミン」を読むと、楽しくて、ついレスしたくなる。けど、たいていは下世話なツッコミなので、書きませんけどね。みなさんの品性のジャマだし。でも、カミさんのコメントは心強い。レギュラーコメンテーターとして、よしなにm(_ _)m
その2・以前から己の中の「殺意」は自覚しています。極端な性格(による失敗)も自認しているので、自制していますけど。その昇華を、このブログでしているのかも。

友人関係がメインで、家庭・職場での人間関係が薄く、社会との関わりは、職種もあって、閉じられません。摂取してしまった毒を、今後も吐き続けるでしょう。ときおり、その方向が相方に向けられるので、自省しきり。

投稿: hiperk | 2010年3月 9日 (火) 12時45分

別にレギュラーに・・などと、煽てられて
調子に乗ってるのでなく(笑)
この記事のコメ欄でいいのかと迷いながら
一応、ご報告です。

過去ブログをフラフラ読んでいて・・
「南先生」の本、さっき注文してしまった(^^ゞ

投稿: カミ@ダンカミ | 2010年3月 9日 (火) 21時35分

おぉ、『短歌』の本を。ありがとうございます。
って、あたしゃアマゾンぢゃないけど。本の印税が奨学金にあてられるそうなので、1冊でも多く売れることを願っています。南先生も喜ばれるでしょう。
ねっ、センセイ。

投稿: hiperk | 2010年3月10日 (水) 03時09分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 忘れてしまいたいことは多いけれど | トップページ | 何とか間に合った »