モノ作りニッポンTVの行方
大袈裟なタイトルだな……あぁ、べつに、社長引責辞任の日本テレビ放送網の末路を心配しているわけではなく。
基本的に、この国には「技術力」があるので、いまのこの不況とやらも、優れた製品を作っていけば乗り切れる、と楽観的な小生。いや、もちろん、世界ナンバー2なんて身の程知らずのゴーマンを捨て、謙虚に生きれば、との条件付きではあるけれど。我が口癖「身の丈」です。侍ジャパンの実力は知らないが、メイドインジャパンは健在だと信じている。
ただ、最近、ちょいと悲観的にもなっている。それは、ぼくの大好きなテレビドラマの世界でのこと。映画「おくりびと」人気はさておき、日本人にしか通用しない番組でも、きちんと制作すればいいと思っている。そして、つくってきたはず。なんだけど、でもね、今年はヒドイ。
まず「銭ゲバ」。悲しいね。原作のマンガのあのインパクト、同世代としては、21世紀に再現できるのかと、やや危惧していた。時代背景があまりに違いすぎているし、「ゲバ」=「ゲバルト」なんて、もう死語だろうし。でも、「お金」に対する執着心とか、そのあたりでは通底するモノがあるだろうから、それに主演が松山ケンイチだしさ、何とかなるかなって、期待した。結果、悲惨と言うしかない。テーマがどうのこうのなんて以前に、ドラマとして成立していなかった。筋立てがメチャクチャ。脚本が酷すぎる。主人公による殺人の意図も手法も、あまりにご都合主義で、何の説得力もない。ついに、5回目くらいだったかな、耐えられなくなった。
岡田惠和よ、本当にあなたが書いているのですか。
もうひとつ、いつまで見続けていられるか不安なのが「天地人」。近年稀にみる駄作ある。主人公は、諸説あるも、知将として記憶される人物だが、その片鱗すらうかがえない。ただの泣き虫・アホとしか描かれていない。おそらく、あちらさんは、ちゃんとアピールしているつもりなんだろう。「義」とか「家族」とか「愛」とかね。が、これも脚本が不味すぎる。さすがに芸達者な役者が揃っているので、一つひとつのエピソードは感動的ではある。けれど、全体としては、学芸会。これが大河ドラマとは、呆れるのも通り越して、ただ笑うだけ。
日本のテレビ界は、こんなレベルのドラマしか、もはや提供できないのか。もちろん、秀作もある。「ありふれた奇跡」は、さすが山田太一の力なのか、心に沁みる。ちょっと古すぎるよと言いたい気持ちも否定できないが。「仕事人」も、パターンは昔のままで、ん?とは思うものの、面白い。「キイナ」は、役者の魅力かな、どこかで見たような話だが、楽しめている。ぼくの主観だけどね。
画期的新製品を寄こせ、とは言わない。「あの満足」でいい。「いつもの喜び」でかまわない。確かな味を求めているだけだ。なのに、ラッピングのみ美装の、材料インチキの、ニセモノが多い。心配なのは、どうやら、ドラマ「メーカー」さんたちは、本気で本物をつくっていると錯覚しているらしいこと。それを感じるのは、いわゆる開局記念スペシャル。なかなかの出来の特番もあったが、総じて、構えばかり大きくて、内容は低い。
ドラマは所詮、フィクション、虚構、つまりウソなのだから、そのウソを重ねることでホンモノらしく、してよ。あ、もしかして、真贋の区別がつかなくなっている? 世の中、妙に「実話に基づいた」ばやりだし。
真実の「愛」や「家族」を知らぬ者たちによる、ホントっぽいウソほど始末に悪い。


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