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2009年1月14日 (水)

セーフティネットなんてものは

年末年始、この「大不況」や「派遣切り」など未曾有の事態にまつわる、かの「朝生」をはじめ、いくつかの報道・討論番組を拝聴。落胆しきり。
要するに、現下の緊急事態に対し、景気回復に妙案なく、「介護や医療など成長産業を育成し、地方分権を」とか、また労働問題では「セーフティネットを」という声が支配的だったのだが、当方の感想は、ただ一言、「なにをいまさら」である。
とくに、後者は、この10年、ずっと言われ続け、しかし掛け声だけ。まあ、少しは何かやっているんだろうけど。

10年前、失業率が5%を超えてきたとき、「起業」ブームが起きた。いまほど酷くなかったとはいえ、再就職先には限界があった。なかでも「団塊」の世代は「終身雇用」の枠組みから外れると、もはや如何ともしがたく。なんたって「サラリーマン」しかできないのだから、「スキルは?」と問われ「部長ならできます」と答える、お粗末さ。さらに、余剰人員だから首切りされたのに、年収は維持しようという、ゴーマンさ。
1年近く「浪人」しても次の勤め先は決まらない。リストラの美名のもとに人員整理は進む。「分母」は増え続けた。そこで、こういう人間を「ベンチャー」の美名のもとに「一国一城の主」にしようという政策がとられた。会社を興し社長にしてしまえば「失業率」の対象にはならないからだ。音頭をとったのは当時の通産エリート官僚。これは、担当課長から直接聞いたことである。

ぼくは正した、「社会に出てから20年、ずっと雇用されることしか知らないのに、雇う側の経営者など務まるはずがない」「早期退職の加算で1000万円ほど持っていれば、とりあえず会社は作れるだろうが、維持などできない」。
何が起こるか。倒産である。そのとき、失業保険は無い。蓄えは資本に投入され、残っていない。そのうえ、個人が事業を始めれば、金融機関からの借り入れに、たいていの場合、社長の個人保証を求められる。つまり、つぶれるのは会社だけでなく、本人も、そしてその家族も巻き込まれる。自己破産の道しかない。
日本人はけっこう道徳観念が強いので、安易に「みっともない」方法は選ぶまい。まちがいなく自らの命で責任を取ろうとする。自棄になれば犯罪に走る。どちらの道もダメなら「ホームレス」が増える。
失敗したときの「セーフティネット」が必要だと力説した。自著でも指摘したし、参院の委員会でも証言した。

結果は言うまでもなく。命綱なしの綱渡りなど、プロ中のプロだけが成し得る業である。一瞬、開業率は上昇したが、廃業率も当然、それを上回る伸びとなった。ぼくの周囲でも、事業を維持しているのは少数派である。幸い、自滅した例は聞かないが、世間では、きっと相当数が悲惨な末路を辿ったのではないか。実際、自らの生命保険金を「残された社員の退職金に」と自殺した経営者がいた。

「派遣村」の惨状は、少なくともぼくにとっては、当然の帰結である。

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コメント

私が就職した頃・・・
もう25年も前ですがcoldsweats01
【派遣】と言う言葉は聞いたことがありませんでした。
私は高校を卒業してすぐに就職しました。
商業系の高校なのでほとんどが就職組。
進学する人の方が断然少なかったです。
みな正社員として就職できました。
あの頃は企業からの求人も生徒の数にあわせる
程度はありましたし。

ニュースで見ましたが工場の派遣を選ぶ理由に
相手が機械だから。
人と話をしなくて済むから。
と答える若者がいました。
なんともさびしい事ですsweat02

話は変りますが
赤坂サカスに行ってきました。
SMAP SHOPに買い物にいったのですが
ここには不況と言う文字はありませんでしたよ!
寒い朝から整理券を求めて並び、
高いグッズを買いまくるファン。
私もその1人ですがeye
妹さんも行ったでしょうか?


投稿: みゆみゆ | 2009年1月15日 (木) 10時13分

赤坂サカスですか、、、さて、どぉでしょね、妹の行動を熟知してませんので。
25日に会うので訊いてみましょか。あぁ、その日は麻丘めぐみのコンサートなのです。裏方をやってましてね、そのコネで観に行く予定。

投稿: hiperk | 2009年1月17日 (土) 00時27分

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