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2008年6月 1日 (日)

スーパーマンの日

6月になってしまった。数少ない定期巡回者がいらっしゃる以上、もう少しマメに更新しようとは思いつつ、どうにも最近、気分のメリハリが強すぎて。書きたいこと、というかグチまたは思いつき、そのあたりは腐るほどあって、で結局、タイミングを逸し腐らせてしまうこともまた多い。だから coldsweats01 「読書」ネタでも。

6月は、ぼくが自覚的に本を読み始めた月である。小学校5年生の梅雨時の土曜日の昼下がり、暇をもてあまし、近くの書店に行った。それまで、本は、親が買い与えてくれるものであった。いわゆる「名作」と言われる、教育的観点に合致したやつ、世界文学全集とかね、そういうもの。その日、ぼくは、しかし、まさしく生まれて初めて、自らの興味で選び、そして小遣いにより購入した。
以来、46年間、最近は激減しているものの、いったい何冊の本を読んだのか。万のオーダーには達していまい。数千、というところか。20歳をまたぐ10年あまりを乱読期として、年間100冊は下らなかったと思うので、それだけで1000冊に及ぶ。2000から3000というところかな。
後年はノンフィクションも増えたが、そのほとんどは小説であり、そのまた大半はミステリー系だ。翻訳モノも3割くらいは占めるだろう。

記念すべき第1冊と第2冊は、そう、2冊買ったのだ、アガサ・クリスティの『アクロイド殺人事件』とエラリー・クイーン(バーナビー・ロス名義)の『Xの悲劇』。何故、この2冊だったのか。もはや検証は不可能である。覚えているのは、この2人の大作家に対する予備知識はなかったこと。店頭で手に取り、おそらくは、「健全ではなさそうな内容」に惹かれたのかな。なんか面白そう、だと思ったのだろう。それにしても、本格推理小説とは……。何事も「出合い」は大切ですね。

魅了された。どれほどの感動だったか、これまた追跡調査は無理だが、続けざまに、クリスティでは『オリエント急行』をはじめとする作品群へと。クイーンは『Y』『Z』『最後』、さらに「国名シリーズ」へと。
当時でも発表から30年ほど経っていて、いま現在からしたら70年もの昔の作品だから、ネタバレもなにもあったもんじゃないだろうけれど、「アクロイド」については、まったくもって意外な真犯人という点に、震えた。それ以前にも「怪人二十面相」みたいなのは読んでいたとは思うが、衝撃の度合いは比較にならない。そのころ、クリスティは存命で、(事実上)最後の『カーテン』まで、つきあった。でも、クイーンのほうが好みだったかな。文庫化されていた作品はすべて買ったはずだ。トリックに関しては両者とも凄かったが、探偵クイーンの人間性に、より惹かれたようだ。何かの作品で、クイーンを訪ねてきた客を女性だと言い当てた、その理由を「確率は二分の一さ」と言い放った、その感性が、ぼくを捉まえたのだろう。

当然のように、欧米の推理小説を次から次へと読み漁った。当初はクロフツやアイルズらの「古典もの」、やがてハードボイルドも。あぁ、それから映画の影響で「007」シリーズやスパイものも。もちろん、たとえば『車輪の下』やら『異邦人』やら『変身』やら文学もしていた。
日本の小説では、この「文学」メインで、太宰治や坂口安吾、織田作之助、さらに大江健三郎、吉行淳之介、遠藤周作、安岡章太郎、そして三島由紀夫etc. 推理小説も読んではいたが、これらに忙しく。海外ミステリーが一段落したころ、佐野洋『一本の鉛』と出合った。ここから国内ミステリーにシフトする。

ほんでもって、浪人時代(以前にも書いたかな、覚えてないや)ついに、「(空想科学小説ではない)SF」に遭遇する。そのあたりのことはまたの機会に。

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コメント

周回していたひとり。
書き込みがないのは、大多忙と勝手に推測し、納得して移動していました。それにしても「ますもと」さんのブログ改定の頻繁さには驚きます。
その間、大拙が明治に円覚寺に通うのにどうしていたのか、横須賀線のことなど問い合わせ、教示を受けていました。本業がどうなっているのか、心配なほど。

昨日の東京新聞に拙書評が載ったのですが、一緒に並べられたのがアントニオ・ネグリほかの『ディオニュソスの労働』。老愚生は未読ながら新しい「コミュニズム」を提起しているとか。変化ありですかね。

投稿: seigu | 2008年6月 2日 (月) 10時00分

翁、足繁く通っていただき、感謝。反応が遅くて、すみません。これは、まさに修羅場ゆえ。ご容赦。

書評については、東京新聞を購読していませんので、貴サイトにアップされるのをお待ちして。

「ますもと」さんのバイタリティには、当方も脱帽。でもね、翁、当方も、このブログ開設時には、1か月半あまりだったか毎日更新しましたし、ときたま頻度が上昇しますよ。なんて弁解したりして。
「継続は力」ですが、続けることそれ自体がパワーになってしまう、一種の「ランニングハイ」みたいなことも、起きるのではないでしょうか。
まあ、しかし、大変な負荷であることは間違いなく。本業でも文章を書いているわけですからね。当方も、毎月2万文字ていどを扱っていて、ま、基本はニュース原稿ですから、淡々と書けばいいだけですが。
翁はご存じないかな、当方、とある団体長のイスに座っていたとき、そのサイトで1年間、エッセイみたいな「日記」を週1で。あれはシンドかった。クリエイティブ、なんて自慢はしませんが、基本的に「創る」作業でしたから。週刊誌の連載の苦労を垣間見たような。でも、ギャラはモチベーションになりますね……。
ふむ。原稿を書く仕事の人間が無報酬で文章を公開するのは、どういうことなんでしょう。あらためて考えてみたいような。
でも、いまは、本業! 「賃労働」に戻ります。

投稿: hiperk | 2008年6月 3日 (火) 13時59分

はじめまして!

実は私も定期巡回者の一人です^^

すごい読書量ですね!
人を惹きつける文章を書かれる根底にあるのは、感性の豊かさプラス読書だったのでしょうか?

これからも楽しみに拝読させていただきます

投稿: vanilla | 2008年6月 5日 (木) 23時22分

vanillaさん、コメント、ありがとうございます。
はじめまして、ですね。未知の人からの(ですよね)コンタクトは、うれしいものです。
いつごろから巡回されていたのでしょう。「中島みゆき」つながり?

お褒めいただき、恐縮。分量だけでも上には上がいますし、話題の「ますもと」さんとかね。質的にも凄くはありません。seigu翁の知的レベルの高さには歯が立ちませんもの。この齢になって「浅学非才」を実感しています(ぢゃ、それまでは? ま、そのあたりは。。。)coldsweats01

だいたい、ほとんど身についていないような。梶井基次郎の『檸檬』も読んだはずですが、覚えていません。まあ、ミステリーの場合は二度読みできる利点はあるかも。

と、謙遜はこれくらいにして。「惹きつける文章」なんて言われると、鼻が上、向いちゃいます。ご期待に応えるべく、なるべくマメに更新します。よしなに。

投稿: hiperk | 2008年6月 6日 (金) 03時29分

拙書評、『いま、働くということ』を拙HPにアップしました。
短いものですから、分かりにくいでしょう。

http://homepage2.nifty.com/morikiyoshi/dokusho.htm#ooba
いずれまた。

投稿: seigu | 2008年6月 6日 (金) 11時23分

翁、ありがとうございます。
走り読み、しました。なにはともあれ、本著『いま、働くということ』を読んでみなければ。
いずれまた。

投稿: hiperk | 2008年6月 6日 (金) 11時39分

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