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2007年10月25日 (木)

商いって

ユニバーサルデザイン(UD)に関するワークショップの取材をした。なかなかに面白い(製品や仕組みの)アイデアがあって、仕事を超えて楽しめた。が、喜んでもいられない。マスメディアの取材が1社もなかったらしいのだ。当方のような専門紙も数社のみ。そりゃ、地味な活動だし、発表場所も、なぜかローカル千葉、ま、ぼくには近場だったけど。だけど、いまさら言うまでもなく、バリアフリーからユニバーサルデザインへという流れは、ある面で「流行」だしなあ~。それにね、このイベントの母体は、誰でも知っている日本有数の企業で構成され、実務を担う裏方は、そこでデザインを担当する若手・中堅たちなのだ。もうちょっと世間から注目されても不思議じゃないんだけど……。
「福祉」という視点だけの、古くさい考え方であれば、マーケットは狭いかもしれない。多くは「障害者のため」という次元にとどまっているのも否定できない。一般的に「ユニバーサル」は、まだまだ未確定な概念なのかもしれない。それでも、ベタな言い方をすれば、UD商品のマーケットは相当にポテンシャルの高い市場であるのは間違いあるまい。なにしろ、高齢社会なのだ。消費者としての「若者」はどんどん減る一方で、高齢者という弱者は、今後、ますます増える。そのうえ、現代の高齢者は、かつてのような「隠居」ではなく、現役世代でもある。
今回発表された「アイデア」も、基本は「障害のある人」にとって役に立つ、という発想ではあるが、たとえば「弱視の人」を念頭において考えられた「光るベンチ」(あくまでも当方の捉えかた)は、視力の落ちてきたお年寄りにも、もちろん効果的だ。詳細は、まだ原稿を書いていないので、その前に公にしてしまうわけには職業倫理上、いかないから、いずれ。とにかく、利用者と一緒に議論したというだけあって、いわゆる「顧客起点」での提案となっている。製品化にはなお時間を要するだろうけれど、こんな商品があったらイイよね、と、ぼくでも感心するような、優れたアイデアが散りばめられている。ぜひ、具現化してもらいたい。
そこで、もういちど。こうした活動は、もっと広く訴求されるべきものだと、ぼくは信ずる。だから、積極的にアピールする必要がある。正しい意味でのPR、つまり広報活動が大切だ。なのに、尋ねてみると、やっていない。大手日刊紙の記者が一人も取材に来なかったのは、そこへアプローチしていないからである。どころか、メディアへの働きかけが極めて乏しいのだ。誤解を恐れずに言えば、単なる慈善的なボランティア団体ではないのだ、前述のように裏方は現役のビジネスマンなのだ。かれらは、それらの商品化を進められる立場にいるのだ。実際、その団体は「事業化」を明確に謳っている。
「商売」って、本来、人が必要とするものを供給して利益を得ることではないのだろうか。なにやら、この国には「儲ける」ことへのネガティブな空気が濃いようだ。製造日を偽造したり原材料を誤魔化したりしてモノを売るのは「商売」ではなく、ただの「詐欺」である。もっと、真っ当に、儲けてほしい。

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