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2007年10月22日 (月)

オープン or クローズ

ラブロマンスもコメディも好きだが、やはり映画の醍醐味はアクションシーン。でも「ジャッキー・チェン」的な「人力」よりは知恵比べ、というかミステリータッチが好み。サスペンスの風味が濃いほど楽しめる。そして、どんでん返しだ。意外な結末というやつね。終わりよければすべてよし、驚くようなエンディングであるほど、堪能の度合いも深い。恋愛ものでも、紆余曲折の末「おぉ、結局はコイツを選んだのか」と思わせてくれるのは嬉しい。
そんなスタンスなので、「ラストの1分を見逃すな」みたいな惹句は、困りモノだよね~と嘆くきょう此の頃である。だって、仕掛けのあることがあらかじめわかってしまうなんて……。そりゃ、かなり昔は、こっちも初心だし、簡単な謎解きでも仰天したものだ。しかし、人は成長する。そうそうには騙されなくなる。そして、ひっくり返し方はどんどん複雑化していった。いまや二重三重に仕掛けられていることも少なくないから、犯人はAではなくてBでした、では済まない。「まだあるぞ、実はCかもしれない」などと見当がついてしまう。さすがにこれで終わりだろうと腰を上げる用意をしつつ、しかし「最後の1分だよね」とクレジットロールの間も気を抜かない。見ている側も、たいがいのことでは驚かなくなった。あまりに期待が大きいと、そこそこ面白いネタでも、えっ!? これだけなのか、とガッカリしたり。でも、「まだこんな手があったのか」と、素直に脱帽することもある。ま、アイデアは尽きない。
それはそれとして。ぼくは、なるべく、事前の宣伝を見ない。まっさらな状態でびっくり仰天したいのだ。映画の出来栄えは、監督や俳優でまず推測し、あとは若干の評判を参考にするだけ。レンタルの場合は、公開時の興行成績・ランキングも材料だ。もちろんヒットしなかったからといって必ずしも駄作とは限らない。新作扱いでなくなってもなかなか借りられないものは、たいてい面白い。初監督、馴染みのないキャスト、そのうえ未公開となると、一か八か。でも、何のヒントもなく見るから、驚きは新鮮。
そういう意味で、新聞記者だったアメリカ時代、いろいろな試写会に行ったが、ストーリーなどに対する予備知識なしにスクリーンに集中できた。幸せだった。「予習」のしにくい言語環境も、まんざら捨てたもんじゃないね。インターネットがなかったから、情報を入手するのも厄介だったし。いまでもそういう仕組みなのかどうか知らないが、なかでも「スネーク・レビュー」というやつは、まったくの白紙状態で臨む。以前にも触れたかな、「エイリアン」には、そうして出合った。衝撃というしかなかった。日本でも、ときおり、事前のリリースなしに公開するケースがあるようだ。まったくのゼロも困るが、ネタバレ・シーンを含む予告編を流されるよりは、よほどマシだ。そうでなくても最近は、公開前の宣伝が激しく、何気なくテレビのスポットに触れると、どこがポイントかわかってしまうことも。お役所の情報公開は必須だけど、どんでん返しはその存在すらクローズドでもいいんじゃない? 何事も、あんまりオープンにしてしまうのもね。見えそうで見えないのが、最も興奮する。って、話が逸れそうなので、今宵はここで打ち止め。

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