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2007年8月 5日 (日)

BOBBY

「ボビー」というと、千葉ロッテマリーンズの監督ボビー・バレンタインのこと? ぼくには地元だしね。野球なら、ニューヨーク・ヤンキースのボビー・アブレイユもいるけど、日本では監督のほうが有名だろなあ。帰化したボビー・オロゴンもこの国では知られている。R&Bのボビー・ブラウンをイメージする人もいるだろうね。
で、今回は映画の「ボビー」。
その愛称で親しまれたロバート・F・ケネディが暗殺された1968年6月5日に、事件が起こったアンバサダーホテルに居合わせた人々を描いた群像劇である。いわゆる「グランドホテル」というスタイルだ。エミリオ・エステベス監督は、この作品にも出演している俳優のマーティン・シーンの長男だ(チャーリー・シーンは弟になる)。婚約していたこともあるデミ・ムーアや、そのデミの現夫アシュトン・カッチャーが出ていたり、そのほか、ハリー・ベラフォンテやアンソニー・ホプキンス、ウィリアム・H・メイシー、クリスチャン・スレーター、シャロン・ストーン、イライジャ・ウッドら豪華キャスト陣も話題だったそうだが、実は、公開時(全米では昨年11月、日本はこの2月)には、この映画のこと、まったく知らなかった。つたや店頭で初めて、DVDのパッケージを見て即、借りた。観た。感動した。
映画評は苦手なので、深い感銘をうまく伝えられる自信がない。事件の謎解きではないし、サスペンスタッチでもなく、その種のミステリーファンは落胆かも。俳優たちの生の人間関係にニヤリとする面もあるとか。一般には、若い日本人には不向きらしい。でも、アメリカの理想主義やケネディに興味のある方は、とにかくどうぞ。時間を無駄にすることだけはないと思う。
ジョン・F・Kのときは、周知のとおり、日米衛星中継のスタートにぶつかり、テレビはいきなり「悲しいニュース」を伝えたのだが、当方、小学生でピンとこず。RFK暗殺は16歳の多感なころで、それなりの衝撃を受けた。後に、ロサンゼルスに住み、この名門ホテルを見学した。マイベスト「卒業」(1967年)のロケ地でもある。仕事などで、何度も訪れた。ちなみに、映画のクライマックスで「サウンド・オブ・サイレンス」が流れる。これが、泣ける。アンバサダーホテル解体工事のかたわら、撮影が進められ、ギリギリ間に合ったという。つまり、もう存在していないのか……。
そうしたエピソードも花を添えるが、なにせ時代は1968年。RFKの直前、マーチン・ルーサー・キング牧師が殺されている。ベトナム戦争は激化の一途。プラハに春が訪れる。パリの5月革命とフランスの核保有。そして共和党ニクソンの大統領当選。
映画のなかに、チェコスロヴァキアからの女性記者が登場する。RFKにインタビューを申し込むが、鉄のカーテンの向こう側であるチェコには自由選挙などないからという理由で拒絶される。彼女は誇らしげに反論、ドプチェク共産党第一書記の名を口にする。言うまでもなく、その年の8月にソ連侵攻、21年後のドプチェク復権までチェコには冬が続くことになる。
そんな時代背景こそが、この映画のメインテーマなのかもしれない。ラストに流れるRFKの、反暴力・反差別を訴えるスピーチは心を打つ。蛇足だけど、ぼくが好きなアメリカには、欺瞞に満ちた部分もたくさんあって、明日8月6日は9日とともに「超バカヤロウ!!」国家のシンボルでもある。手放しで礼賛する気はない。けれど、こういう映画をつくってしまうところが、なんとも、ステキなんだよなあ~……。
あぁ、それから、チョー個人的には、大好きな女優ヘレン・ハントを久々に堪能できたのも望外の幸せ。

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