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2006年11月 5日 (日)

人間なんて

映画「博士の愛した数式」を観た。未だの人、ゴメン。記憶が80分しかもたない、といったメインプロットより深津絵里の演技の素晴らしさより、何よりも数字の美しさに心底共感した。素数だの完全数だの友愛数だの、220、284の約数が……などといったセリフに歓喜、あらためて、自分が数学(算数)好きだったことを思い出した。いまは文章を書く仕事をしていて、大学も文科系だが。

かつては理数系だったのだ。小学生のころ、国語や社会の成績は決して良くなかった。算数は学習したという記憶がなく、それでもトップクラスだった。ケアレスミスさえなければ満点なのにと親は嘆いた。中学に入ってからも数学は得意科目だった。幾何の授業は楽しかった。証明問題が好きだった。「数Ⅰ」になって挫折した。途端に理解できなくなった。ことさら勉強などしたことがなかったわけだから、その方法がわからず、成績の急落に戸惑っているところへ、微分・積分がやってきた。諦めた。

そのうえ、物理・化学の数式にも苦労。ピタゴラスの定理とかフレミングの法則とか、そういう概念には魅了されていたのに、高校時代は常に赤点ギリギリ。一方、文学と歴史に目覚めた。小説家を志望した。読書量が急増した。成績表は、見事なまでにメリハリがついていた。私立の文学部しか選択肢が無くなった。

現在の職業は、あたかも、その延長線上にあるように思える。が、この道しかなかったのだろうか。思えば、父親は工学部。暗算は得意だ(った)。年号の丸暗記は苦手。果たして、これが「天職」だと言えるのか。いまさら医者にはなれまいが、半世紀を生きてきて、なお自分の未来は確定していない。人間の可能性なんてものに限界はないのかもしれない。

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